フィードスルー
真空槽や加圧配管の内部温度を測定したい場合、センサーを外部へ安全に引き出すための部品選びが重要になります。シール性を保ちながら温度プローブや熱電対を通すフィードスルーは、研究設備、プロセス装置、試験環境などで欠かせない温度アクセサリのひとつです。
このカテゴリでは、真空および圧力環境での温度計測に対応するフィードスルーを中心に、選定時に確認したいポイントや用途の考え方を整理しています。単に「通せる本数」で比較するのではなく、プローブ径、接続方式、シール材、設置スペースまで含めて見ることで、導入後のトラブルを減らしやすくなります。

フィードスルーが使われる場面
温度センサーを密閉容器や配管の内側に設置する場合、ケーブルやプローブをそのまま通すだけでは、気密性や耐圧性を確保しにくくなります。そこで必要になるのが、容器壁やポート部を通してセンサーを導入しつつ、外部との境界を安定して保持するシール構造です。
特に、複数点の温度を同時に取りたい工程では、1本ごとにポートを設けるより、複数プローブ対応のフィードスルーを使うことで配線を整理しやすくなります。測定点が増える装置では、作業性や保守性の面でもメリットがあります。
このカテゴリで扱う製品の特徴
掲載製品は、主にOMEGAの真空および圧力BSPTシール用メトリック温度プローブフィードスルーです。PTFE材を採用したモデルが中心で、プローブ径や本数の異なるバリエーションがあり、用途に応じて構成を選びやすいラインアップになっています。
代表例として、1 mm径のプローブを多点で通したい場合には OMEGA MFT-M10-16-PTFE や OMEGA MFT-M10-12-PTFE のようなモデルが候補になります。一方で、1.5 mm径や3 mm径のプローブに対応する OMEGA MFT-M15-6-PTFE、OMEGA MFT-M30-6-PTFE などは、使用するセンサー外径に合わせて検討しやすい製品です。
いずれもBSPT Maleのプロセス接続を持つため、既存設備の接続規格との整合確認は重要です。設置前に、ポート側のねじ規格、必要本数、取り回しスペースを合わせて確認すると選定がスムーズです。
選定時に確認したい3つのポイント
1. プローブ径と本数
まず確認したいのは、通したい温度プローブの外径です。このカテゴリでは1 mm、1.5 mm、3 mmといったサイズが見られ、同時に通せる本数も3本から16本まで幅があります。多点測定を重視するのか、太径プローブを優先するのかで候補は変わります。
2. 接続方式と装置側ポート
製品には3/4 inのBSPT Male接続を持つものが含まれています。装置側が同じ規格に対応しているか、変換継手が必要かを事前に見ておくことで、据付時の手戻りを防ぎやすくなります。
3. 材質と使用環境
PTFEはシール部材として幅広く使われる材料ですが、実際の運用では温度条件、薬液の有無、洗浄条件、機械的ストレスも含めて適合性を見ます。フィードスルー単体ではなく、センサー、配線、接続口を含む計測系全体で考えることが大切です。
用途別に見た選び方の目安
研究開発や試験設備で、限られたポート数の中で多数点の温度分布を取りたい場合は、10本以上のプローブに対応するモデルが有力です。たとえば OMEGA MFT-M10-10-PTFE や OMEGA MFT-M10-16-PTFE のような多点対応品は、槽内の複数位置をまとめて計測したい場面で検討しやすくなります。
一方で、比較的太いプローブを少数使用する場合には、3 mm径対応の OMEGA MFT-M30-3-PTFE や OMEGA MFT-M30-4-PTFE のような構成が適しています。測定点数だけでなく、プローブの剛性や取り回しやすさを重視する現場にも向いています。
中間的な構成としては、1.5 mm径対応の OMEGA MFT-M15-3-PTFE や OMEGA MFT-M15-5-PTFE が選択肢になります。センサーサイズと必要チャンネル数のバランスを取りたい場合に比較しやすいレンジです。
周辺作業も含めて考えると導入しやすい
フィードスルーは単体で完結する製品ではなく、センサー先端の加工、配線接続、固定や補修といった周辺作業とあわせて検討されることが多い部品です。たとえば、配線端末の処理が必要な場合は圧着工具が役立ちます。
また、細線の熱電対を現場で作成・補修する運用では、細線および熱電対溶接機とあわせて確認すると、温度測定系を一連で整えやすくなります。装置周辺の固定や封止の補助材が必要なケースでは、接着剤とペーストも関連カテゴリとして参考になります。
導入前の確認で見落としたくない点
実機への組み込みでは、全長や六角部寸法、キャップ側の作業スペースも確認しておくと安心です。仕様表の寸法情報は、単に取り付けできるかだけでなく、工具が入るか、周辺機器と干渉しないかを判断する材料になります。
さらに、多点プローブ構成では、通線後の識別方法や配線順序も重要です。設置後の保守や交換を見据え、どの測定点がどのチャンネルに対応するかを整理できる構成を選ぶと、運用負荷を抑えやすくなります。
フィードスルーを選ぶ際のよくある確認事項
何本通せるかだけで選んでも問題ありませんか。
本数は重要ですが、それだけでは不十分です。プローブ径、接続規格、シール材、設置スペースをあわせて確認することで、実装時のミスマッチを防ぎやすくなります。
真空用途と圧力用途で見方は変わりますか。
どちらもシール性が重要ですが、実際には装置条件や接続部の設計、使用するセンサー構成によって確認項目が変わります。装置側仕様とフィードスルー側の接続条件を照らし合わせて判断するのが基本です。
まとめ
温度計測の安定性は、センサー本体だけでなく、密閉境界をどう通過させるかによっても左右されます。フィードスルーは、真空・圧力環境での温度測定を成立させるための重要な接続部品であり、プローブ径、本数、接続規格、材質の見極めが選定の基本です。
多点測定を重視するか、太径プローブを使うかによって適した構成は変わります。掲載製品の仕様を見比べながら、装置側ポートや周辺アクセサリとの整合まで含めて選ぶことで、現場に合った温度測定系を構築しやすくなります。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
