リレー試験器
保護継電器の動作確認や受電設備の保守では、試験条件を安定して再現できる機器の選定が欠かせません。現場では、定期点検、据付後の確認、更新工事後の検証など、用途に応じて必要な出力構成や試験機能が変わるため、対象設備に合ったリレー試験器を選ぶことが重要です。
このカテゴリでは、配電・変電設備の保護リレー試験に対応する機器を中心に、三相・六相構成、単相向け、GPS同期対応、可搬型など、現場要件に合わせて比較しやすい製品を掲載しています。二次試験を効率よく進めたい方や、複数系統の試験に対応できる機種を探している方にとって、選定の起点となるラインアップです。

リレー試験器が使われる場面
リレー試験器は、保護継電器が設定どおりに動作するかを確認するために使用されます。電流・電圧・位相・周波数などの条件を与え、動作時間や復帰条件、接点の応答を確認することで、保護システム全体の信頼性を評価できます。
主な用途は、受変電設備の保守点検、発電・送配電設備の定期試験、更新後の受入検査、障害解析後の再確認などです。高精度な模擬信号が必要な現場では、多相出力やバイナリ入出力、PCソフト連携の有無が実務上の使いやすさに直結します。
選定時に確認したいポイント
最初に確認したいのは、試験対象が単相・三相・六相のどこに当たるかです。保護リレーの種類や試験内容によって必要な電流・電圧出力数が異なるため、将来的な試験範囲も見据えて選ぶと運用しやすくなります。
次に重要なのが、出力容量、周波数レンジ、位相制御、バイナリ入出力、時間測定精度、操作方法です。PCソフトでの自動試験を重視するのか、現場でのスタンドアロン操作を重視するのかによって、同じカテゴリ内でも適した機種は変わります。保護協調や複雑な試験シーケンスを扱う場合は、より柔軟な信号生成と入出力構成が役立ちます。
代表的な構成と製品例
多相試験に対応する機種としては、KoCoSのARTESシリーズが代表例です。たとえば、KoCoS ARTES RC3 Protection Relay Testing は3電圧・3電流出力を備えた構成で、可搬性と現場対応を重視した運用に向いています。PCソフト連携に加え、単体操作にも配慮された設計は、試験場所が分散する現場で扱いやすい要素です。
より多くの出力を必要とする場合は、KoCoS ARTES 500 Protection Relay Testing や KoCoS ARTES 600 Protection Relay Testing のような4電圧・6電流出力クラスが候補になります。複数要素の保護リレーや高度な試験条件の再現に向いており、入力点数や通信インターフェースの充実度も比較ポイントになります。
用途別に見た機種の考え方
比較的シンプルな点検や単回路向けの用途では、MultiTech MTS-1P シングルリレーテスター (100A / 7.5V) のような単相系の構成が検討しやすくなります。一方で、三相保護や多要素リレーの確認では、MultiTech MTS-6P 6相リレーテスター のように複数相を同時に扱える機種が効率面で有利です。
EPHIPOTのEPRPシリーズも、三相から六相、GPS対応まで構成の幅があります。たとえば、EPHIPOT EPRP-304 リレー保護テスター (3 phases) は三相用途の検討に、EPHIPOT EPRP-606 GPS リレー保護テスター は時刻同期を伴う試験条件の比較対象として考えやすいモデルです。現場で必要なのが「基本試験中心」なのか、「多相・高機能対応」なのかで選定の軸を分けると整理しやすくなります。
メーカーごとの比較で見ておきたい点
MEGGERは、保護リレーの二次試験用途で広く参照されるブランドの一つで、MEGGER SVERKER 750 Relay Test Set のようなモデルは、基本的なリレー試験を重視する場面で比較候補になります。メーカー選定では、単純に出力値だけでなく、操作性、持ち運びやすさ、ソフトウェア運用との相性も重要です。
また、同じ多相機でも、筐体サイズ、前面接続のしやすさ、Wi-FiやEthernetなどのインターフェース構成によって、実際の作業効率は大きく変わります。ブランド名だけで決めるのではなく、日常点検、保守会社での巡回使用、据置型の試験環境など、自社の運用に近い条件で比較することが大切です。
関連する電気試験機器との組み合わせ
リレー試験器は単体で完結する機器ではなく、設備保全全体の中で他の試験機器と組み合わせて使われることも少なくありません。たとえば、絶縁耐力の確認が必要な工程ではAC / DCヒポット耐電圧試験のカテゴリも併せて確認すると、試験計画を立てやすくなります。
また、ケーブルや絶縁系の状態評価まで含めて検討する場合は、超低周波テスター(VLF)や、絶縁特性の把握に役立つ静電容量/タン デルタ メーターも関連性の高いカテゴリです。設備全体の保守フローに合わせて機器を選ぶことで、現場での再試験や手戻りを抑えやすくなります。
導入前に整理しておきたい確認事項
選定前には、試験対象となるリレーの種類、必要な相数、必要最大出力、入出力点数、試験レポートの作成方法を整理しておくと比較がしやすくなります。特に、現場での持ち運び頻度が高い場合は、サイズや重量、単体操作のしやすさも見逃せません。
加えて、将来的に試験対象が増える可能性がある場合は、現時点の最小要件だけでなく、少し余裕を持った構成を選ぶ方法もあります。単相・三相の基本確認から、より複雑な保護試験まで視野に入れることで、長期的な運用負荷を抑えやすくなります。
まとめ
保護リレーの健全性確認では、必要な試験条件を正確に再現できることと、現場で無理なく運用できることの両方が重要です。このカテゴリでは、KoCoS、MEGGER、EPHIPOT、MultiTech などの製品を比較しながら、用途や試験規模に応じたリレー試験器を検討できます。
単相の基本試験から三相・六相の本格的な保護試験まで、必要な機能は現場によって異なります。対象設備、試験手順、運用体制を整理しながら、必要十分な構成の機種を選ぶことが、安定した保守・点検業務につながります。
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